午後(夕方/夜)に靴を履きおろす時のおまじない・・・。
午後(夕方/夜)に靴を履きおろす時のおまじない・・・。
先日、5才の息子と午後散歩に出るとき、夕方にもかかわらず気温が高く暑かったので、夏用に買っておいた息子のサンダル型シューズを新しく履きおろした。日本では、「新しい靴は、朝・午前中に履きだすもので、午後や夕方・夜におろしてはいけない。」との迷信がある。午後に新品のまま履き下ろすと、転んだり災難が降りかかるかもしれない、というものだ。だから、今回は靴底にマジックペンで”×”(バツ/ばってん)と書いてから、息子に履かせた。こうすることで、新品ではなくなるらしい。
![]() |
新しい靴底にマジックペンで×と書く (C)NOB |
でも、この迷信はいったいなぜあるのだろう?
インターネットで調べたところ、
1、新しい靴は、人も神様も羨むものなので、新しい靴だとわからないために汚れをつける。
とか、
2、「亡くなった人は夜に新しい履物を履かせて玄関から出す」という習慣があったため、縁起が悪い。
といった理由があるようだ。
2の、「亡くなった・・・」は北枕(きたまくら)や一本箸(いっぽんばし)と同等の意味だろう。亡くなった人と同じことはしないほうが良いということだ。
これは靴で言えば、「新しい靴をおろす際、家の中で履いてそのまま脱がずに外へ出てはいけない」 という習慣がある。
新しい靴を家の中で履いた場合は、一度脱いで、玄関で履き直して外出しなくてはいけないというもの。
よっておそらくは、1の「人も神様も羨む・・・」という理由が正しいのではないかと私は推測する。
「新しい靴を汚す」という習慣は、日本独特の習慣らしいし、
日本はもともと下駄・ぞうり文化で、靴は西洋から入ってきた異文化だったはず。
(以下写真:日本で初めて革靴を履いたとされる坂本龍馬の写真。左の写真はの足元は短靴、右の写真ではブーツのような靴を履いている。「靴のパラダイス>紳士靴まるわかりガイド」より抜粋。)
![]() |
革靴を履く、坂本龍馬。 (写真/「靴のパラダイス」より) |
もしかすると、過去の日本では、新しい靴をおろすことで、周囲から羨まれ、災いを受けたという時代があったのかもしれない。
だから、新品に見えぬよう履き下ろす前にわざと汚してしまえ!という感じだったかもしれない。
その名残が、この迷信なのではないだろうか? あくまで推測ですが・・・。
それでは、なぜ午前ならよく、午後はダメなのだろうか?
それは、別の機会に追って調べてみようと思う。
どちらにせよ、迷信にすぎないので特に気にする必要はないと思うが、もしも子供が転んだり何かあったら嫌なので、これからも午後に靴をおろすときは、迷信どおり汚して(靴底を汚して)から履き下ろすことにします。(^^)
追記:
昔の路面は今みたいに良くなかったうえ、靴底も滑りやすかったため、新しい靴で夜道を歩く前に、転ばないように、わざと靴底に傷をつけて滑りにくくしたのかもしれない。参考は以下ページ。
午後(夕方や夜)に新しい靴をおろす時のおまじない。靴底(ソール)をわざと汚したり傷つける。
https://shoepara.jp/tips/201/
もうひとつ、先日(2025年6月18日)、YouTubeで見つけた、以下動画がわかりやすかった。
仏教には、「点浄(てんじょう)」という、僧侶が身に付ける袈裟(けさ)という布をおろす(新品で着始める)際、墨やペンで印を付ける(汚れを付ける)行為があるそうです。それは、その布を清浄なものとして区別し、袈裟としての使用を明確にするための儀式的な行為とのこと。汚れを付けることで、一つ気の流れを作り、悪い気が入ってきたらそれを祓って、良い気を循環させるという意味があるだそう。
「丸儲け住職 -ブッダの教えで人生好転-」YouTubeチャンネル
群馬県前橋市「天明時」鈴木 辨望(すずき べんもう)住職のお話。
(「点浄」については動画の4:50あたりから)
動画より一部抜粋(動画の5:18~):
(住職)
新しい靴をおろす時には、例えば、そこ(底)に名前をわざと書き入れるとか、あとは少し使用感を出させるというのは、古くの日本人が多くやっていた行為なんですよね。
(聞き手)
昔、サッカーをやっていた時に、おろしたての靴を踏まれて、「これでもう怪我しない」みたいな、そういう事言われた事がありましたね。
(住職)
これは、点浄(てんじょう)と同じ考え方で、あえて汚すという事がすごく大事なんですよね。
コメント